蛇足

前のホームページに掲載していた、私の好きな食べ物屋さん、の下書きが出てきました。少し加筆して再掲します。お好きな方は、ネットで探して訪問してください。ひょっとしたら、お気に入りの店が1軒増えるかもしれませんよ。

殆どの方が、お気に入りの味や店を持っておられます。しかし、まだ知らない味や、美味しいと思う店を知ったときというのは、なんだか得をしたような気になります。

世の中、同じカテゴリーのものでも同列で比較すること自体に意味が無いものって数多くありますよね。フェラーリとマツダ・ロードスターとホンダS660を真剣に1対1で比較する人もいないでしょう。大きなカテゴリーでは同じでも、本質的に異なるものとして考えなくてはならないモノ同士です。

食事にしても同じだと思いますが、ネットに溢れるグルメ評価を見ると、同じ店の評価の中に異なる価値観によると思われるものが混在しています。寿司のように、2万円の店と、7-8千円の店と、回転寿司というように、クオリティーの違いや対象とする顧客層がハッキリ分かれていることが明らかで、それぞれが上手に住み分けしている場合は良いのですが、その境界があやふやな場合は、その店に何を期待しているかということが満足感や評価の内容に繋がります。

一流と言われる店は、何を食べても客が満足できることが求められます。そのなかで数十年という時間の試練に耐えてきた店だけが、一流と評価されます。もちろん、最上の素材を使いますので価格も一流ですし、特定少数の顧客に支えられています。大半の店にもファンというか、少なくとも最低限の固定客がありますが、これとこれはウマイけれど、それ以外は大したことが無い、あるいはハズレという感じでしょうか。それが一般の方の「グルメ評価」になるのでしょう。アタリを食べた人と、ハズレを食べた人では評価が正反対になります。稀には、何を食べても、これは、というものが無い店もありますね。

したがって、一流と言われる店に行く場合を除けば、どの店の何がウマイのか、あるいは自分の味覚にヒットするのかを知ってなければ、ガッカリするというか、ハズレだと思ってしまう確率が高いということでもあると思います。

僕が自動車雑誌の試乗記事をアテにしないのは、たった1回、それも僅か数時間乗っただけで、そのクルマの何が分かるのだろうか、と考えているからです。個人的な経験から、クルマは実際に購入し、長く乗ってこそ、そのクルマの本質が分かると考えているからです。もうずいぶん前ですが、各自動車雑誌が絶賛したクルマを買ったところ、半年もしないうちにアチコチに不満な部分が出てきて、1年弱で手放したことがありました。反対に、一般的な評価は高くなかったものの、いまだに乗り続けているクルマもあります。一般的な評価と、自分の価値判断とは異なるということですし、それは食べ物も同じです。

一人が経験的に美味しい店を知り得る範囲は極めて限定的です。そこで、僕が気にっている店の、気に入っているメニューをご紹介したいと思います。一般的なグルメ評価のように、1回や2回、訪問しただけではありません。少なくとも10回や20回は訪問しており、中には100回以上、あるいは数十年にわたり訪問している店もあります。それぞれに、僕が気に入っているメニューや、何が期待できるかを、できるだけ具体的に表記していますが、あくまでも個人的な感想であることをご理解ください。

ご興味を持たれましたら、一度ご訪問ください。ひょっとすると、新しい発見があるかもしれません。

いずれも神戸周辺ですが、場所や電話番号はネットでお調べください。

<第一楼>

私が子供の頃から、神戸では何かお祝い事があると、ここで会食という家庭が多かったように思います。決して安くはありませんが、満足感は高いと思います。息子が結婚するときの両家顔合わせもここで行いました。事前に伺って料理の内容を打ち合わせましたが、メニューにない料理でも頼めば作ってくれます。味はアッサリ系ですが旨みがあり、最後のデザートまで楽しめます。コース料理がメインで、人数が多いと料理の数が増えますが、少ないと減ります。

<親愛園>

もともと愛園という中華屋さんから暖簾分けした小さな店で、既に息子の代になりました。それだけ、こちらも歳をとったということですが。ここは単品で美味しい物を食べたいときに行きます。関西では珍しくカエルが食べられますし、いまでも季節になると上海蟹が食べられる数少ない店です。何を食べても、そこそこ美味しいのですが、料金が高目なので、少なくとも、食べ盛りの家族をゾロゾロ連れて行く店ではありません。いかにも昔からある神戸の中華料理店といった雰囲気の店です。

<翠亨園(神戸ベイシェラトン)>

最近、訪れる機会が増えましたが、それには理由があります。孫が生まれ、食事中に泣き出すこともあるため周囲の人に気を使いながら食べたくないからです。ここは事前に頼んでおくと個室を取ってくれ、そこにバギーごと乗り入れることができます。ランチタイムに飲茶バイキングをやっており、いつも、このコースです。最近は一般的な飲茶メニューだけでなく、その他の料理も数多くオーダーバイキングで注文でき、かなりのお得感があります。肝心の味ですが、選べば美味しいものも少なくない。かつて三宮に好きな飲茶バイキングの店があったのですが、残念ながら閉店してしまいました。いま、飲茶バイキングで雰囲気、内容、コスト・パーフォマンスなど総合点で満足できるのは、ここぐらいしか思いあたりません。

<麒麟>

ここも行くようになって久しい。長い年月ですので回数も100回や200回ではないと思います。しかし、ここで食べるものは決まっています。かつては昼の時間にも様々な料理が注文できましたが、年々、昼のメニューが少なくなり、食べたいものが食べられなくなってしまったのは残念。とは言え、夜に行って夜用のメニューを頼むと、アイテムによっては、正直、少々ガッカリします。昼に食べるものはホンコン焼きそばと牛肉シチュー丼です。ときどき、これが無性に食べたくなり家内と出掛けます。日曜の昼はランチ営業してませんので注意。夜しか食べられなくなってしまった好物は、きゅうりとレンコンの酢漬けと煮込みそばです。いずれも個性的で、美味しい。とは言え、夜は麺類だけという注文は出来ないのがルールですので、その他の料理も頼まなくてはなりません。人によって、この店の評価が大きく異なるのは、評価の基準が違うというか、何を期待して訪れるのかによるからでしょう。本格的な高級中華料理を期待して訪れると、その期待は見事に裏切られると思います。

<四川>

最初に六甲で開店した頃は、その日によって味が変わることもあり、アレ?って思ったものです、御影の少し大きな店に移ってからは比較的安定しましたが、より広い客層を対象にしたためか、味が少々一般化したのは残念。最近は岡本にも出店していますが一品ごとの量が少なく、御影店のほうが満足感が高いと思います。味的には街の中華屋さんの範疇を出るものではありませんが、麻婆豆腐、汁なし坦々麺、台湾酢豚などはお気に入りです。汁なし坦々麺は、四川味のスパゲッティ・ミートソースといった感じですが、白飯が無料でもらえるので頼んだほうが良いでしょう。四川料理だけでなく、辛くない料理も多いので、辛い料理が苦手な人と一緒に行っても大丈夫です。価格が安い目ですので、食べたいものを食べたいだけ頼んでも、一人5,000円も食べられないと思います。

<王将・阪神御影店>

ここで食べるのは回鍋肉と天津飯です。たまに餃子も頼みます。実は、ごく最近まで、数多い王将はすべて基本的に同じ味だと思っていました。ところが、ある日、別の王将で回鍋肉を持ち帰りにして家で食べてみると、見た目も味も全く別物で、残してしまいました。私は一般的な中華料理屋さんで出てくる回鍋肉は食べられません。味が濃すぎるのと、油が多過ぎることが理由です。ここの回鍋肉は色も薄くアッサリしていますが、旨味があります。野菜を炒め過ぎないのもいいですね。何日か続けて食べられるぐらいです。天津飯もアッサリしており、人気があるようです。ネット上では、ここの餃子は焼き具合が良く、王将の中ではナンバーワンと評されているものの、他の王将で餃子を食べたことが無いため、私には分かりません。それ以外の料理もひと通り食べてみましたが、リピートしようと思うほどのものはありませんでした。とても人気があり、昼の時間には並んでしまいますが、できれば奥のカウンターに座って店長を観察してみてください。料理の手際が素晴らしく良いだけでなく、常に店全体に目が行き届いており、指示も的確です。長い間メンバーが変わらなかったのですが、最近2名交代したため、一時的なものだとは思いますが、少しシステマティックな動きに欠けるように感じます。この店は、混雑時の店長を見るためにだけ行っても、楽しめるのでないかと思います。

<福福>ラーメン

ここは基本的には餃子屋さんであり、バー使いする人がターゲットなのでしょう、夜だけの営業です。ここで食べるのはラーメン。ネギしか入っていないので、焼豚を別に注文して入れます。最近では貴重なクリアースープで、神戸の人にとっては懐かしい味ではないでしょうか。これに近い味のラーメンは神戸のオークラで食べられます。チャーシューとザーサイと白ネギを細切りにしてドッサリ入れてもらうと、なかなかgoodです。最近の、凝りに凝ったコテコテのラーメンが苦手な方は、一度、試してみてください。

<ドンナロイヤ>イタリアン

戦後間もない頃にイタリア人が開いた店で、二代目(日本人)も、そろそろ引退してもよい年齢になられました。私が初めてイタリア料理を食べたのが、この店でした。父の友人(ジューイッシュ)に連れて行ってもらい、ピザを食べました。8歳ぐらいだったと思いますので、もう60年も前のことです。それ以来、ここで食事をした回数は100回どころではないと思いますが、良くも悪くも、私のイタリア料理におけるスタンダードになりました。加えて、ペルーに年のうち半分ほど出張していたころ、朝・昼・晩と近所のイタリア系移民が経営するイタリア料理屋で食事していましたが、そこの味がドンナロイヤの味に似ていました。敢えて言えば、家庭料理的な味というか、私の中では古いスタイルのイタリア料理です。いまや日本だけでなくイタリアでも高級店の主流になってしまった新イタリア料理は、どうも私の感覚には馴染みません。ミラノに行っても、敢えて下町の古くからありそうな店で食事します。ドンナロイヤは、いわゆる裏メニューも多く、メニューにない料理でも材料があれば作ってくれるのが嬉しいですね。価格は全体に高目ですし、お子様連れで行く雰囲気の店ではありません。

<アベーラ>イタリアン

僕が大学生のころに開店したので、もう45年は超えたと思う。全体的に南の味というか、ハッキリした味です。偶然、現在のオーナー(初代オーナーはイタリア人で、現在のオーナーは息子さん)と知り合いになり、いまでもたまに訪れます。これはこれで美味しいとは思うのですが、二日続くと胃がつらいかもしれない。行くと必ず食べるのはカネロニ。いかにも、という味のイタリアンが食べたくなったときは、どうぞ。ここも、どちらかといえば家庭料理寄りで、どの料理も「そこそこ」の量があります。僕は基本的に、大きな皿の真ん中にチョコンと小さな料理が乗ってくる、というスタイルは好きではありません。和食でも、確かに懐石も美味しいと思いますが、基本的に僕は「好きな料理は山盛り」食べたいのですよ。

<サントルーチェ>イタリアン

ここはフル・メニューのイタリア料理屋さんではありません。特に私が好むのはポルチーニのスパゲッティと食後のプリンです。ポルチーニのスパゲッティはクリーム・ソースで、個人的に最も好むポルチーニ・スパゲッティです。プリンは最近流行りのプルプルではなく、シッカリしたもの。決して甘すぎず、掛かっているカラメルも甘くなく、大人の味です。知っている限り、最も私の好みにあったプリンです。持ちかえり出来ないのが残念。夜はスパゲッティとデザートだけ、という注文はできません。必ず食前に食べる「なす」は美味しい。前に、ちょっとした集まりがあり、借り切って普段はメニューに載せていない料理を何種類か作ってもらいましたが、すべて美味しくいただきました。

<チーロ>イタリアン

最近は予約の取れない店として有名なようですが、どの料理も価格的に「高くない」ため、遠慮せずに食べたいものが注文できます。それぞれの量も「そこそこ」ありますので、何人かで行って分けるのが良いと思います。人気が高く、評判も高いようですが、高級店のメニューや最近増えた新イタリア料理をイメージすると、ちょっと外れるかもしれません。とは言うものの、またか、と思うほど増えたイタリア料理店の中にはガッカリする店も少なくないのが現状だと思いますが、その中では、味と価格のバランスを考えますと、充分お勧めできると思います。前菜の種類が多いのも嬉しいし、場所柄、お魚も美味しい。ちょっと遠いのが残念。

<ブォングスト>イタリアン食材  大阪へ移転。

イタリア食材の卸売り屋さんで、関西一円のイタリアン・レストランに食材を供給していますが、行けば一般の方でも売ってくれます。入手し難い食材を安価に入手できますが、土・日はお休みですので、月から金の午後6時までに行かなくてはなりません。パスタの種類も多く、ピザの台(冷凍)も扱うようになりました。サラミなどハムの種類が多く、安いのが嬉しい。特にミラノ・サラミは大好物です。但し、小売店で買うような量では買えませんので、お好きな方限定だとは思います。お勧めできるのが冷凍ポルチーニ。乾燥ポルチーニと違い、ポルチーニ本来の食感が楽しめます。1kg4,000円ちょっとと、へたに乾燥ポルチーニを買うより安い。また、頼んでおくとパルミジャーノの粉チーズや、パルマ生ハムの切り落としが入手できます。いずれも美味しく、市販価格よりグンと安い。最近、大阪に小売り用の店舗を開設したそうです。そういえば、かつてどこかの商社がイタリアから輸入していたシチリア・レモンのレモネードは、なぜ輸入されなくなったのでしょうね。同じメーカーのブラッド・オレンジはまだ輸入されているのに。ピールの味がして、大人のレモネードという感じで大好きだったのですが。

<グルメヤマオカ>食材

ここは業務用食材の卸売り屋さんですが、土曜・日曜は一般のお客様にも販売しています。最近はネット・ショップもやってます。ここは輸入食品が殆どで、ワニやダチョウなど珍しいものも数多くあります。なかでもお勧めできるのは、鴨の燻製、ラム・チョップ、エスカルゴなどですが、置いてある入れ物にベリーを好きな組み合わせで入れて量り売りしてくれますので、私のようにブルーベリーやラズベリーをアイスクリームと一緒に食べたい方にはうってつけです。季節には水槽で泳いでいるフグを目の前で捌いてくれます。珍しいものや入手しにくいものも多く、見学するだけでも一度は行く価値があると思います。

<インディアン>カレー

歴史の古いカレー屋さんですが、初めて食べたのは中学生のころ、もう50年以上も前ですが、旧フェスティバル・ホールの近くのビルの地下にあり、フェスティバル・ホールまでコンサートを聞きに行くたびに、インディアンに立ち寄るのが楽しみでした。辛さの中に甘みがあり、クセになる味です。いつも注文するのは、標準ライスにルーの大盛り。そして大きなキャベツ(大盛り)です。途中で水を飲むと更に辛く感じますので、水は最後に。前に我が家でホームステイしていたメキシコ人の高校生が辛いものが好き、というので連れて行ったところ、一口か二口食べてギブアップしました。辛さにも種類があるようです。

<生粋>寿司

就職して東京に住むようになった私にとって、いわゆる関東味は受け入れ難いものでした。しかし、慣れるに従い、東京の方が美味いと感じるようになったものがいくつかあり、そのひとつに寿司があります。学生時代までは、握り寿司と言えば、刺身がゴハンの上に載っているだけという感覚でしたが、東京で最初に住んだ自宅の近くにあった寿司屋で食べた江戸前寿司の細工物は新鮮な驚きでした。そもそも、寿司は江戸の地方料理ですので、当時の私にとって、いわば本場の味でした。残念ながら、関西に江戸前寿司の美味しい店は少なく、関西で美味しい毛蟹が買えないのと同じく、とても残念に思っていました。生粋は、もともと近所にあった寿司屋さんのご子息が東京で修行されて開いた店ですが、なかなか拘っておられ、仕事も丁寧です。普通の寿司屋さんに比べれば少し高目ではありますが、それでも決して高級寿司店のような「ビックリする金額」ではありません。ミシュランで星を獲得してからは、少々客層が変わったようです。会社の帰り道にフラっと立ち寄っても、満席のときが多いのが残念。ただし、ミシュランということで期待しすぎると、ちょっとハズレるかもしれません。

<なだや>寿司

寿司は回転寿司から高級寿司まで価格帯が広く、店舗数も多いカテゴリーです。それぞれの店が内容と価格で住み分けており、その時の状況次第で、どの店に行くかという選択肢は広いと言えます。とは言うものの、それぞれのシチュエーションに見合った「好みの店」を知らずに飛び込むと後悔する確率が高いことも確かです。寿司に限らず、あるいは食べ物屋さんに限らず、価格を主として比較しても、内容を主として比較しても、正しい評価にはならないように思います。要するに、価格と内容のバランスではないでしょうか。高い2,000円もあれば、安い3,000円もある、ということだと思います。このバランス感覚は人によって異なるとは思いますが、ここを間違いますと正当な評価にはなりません。

この店は、一般的な寿司屋のレベルよりはネタも知識も、そして技術も明らかにランクが上で、内容的には、いわゆる高級店寄りだと思います。とは言うものの、価格的には一般店と高級店の中間ぐらいですので、毎日ランチに食べに行ける価格帯ではありませんが、気軽に美味しい寿司を食べたいときにはお勧めします。ネタの種類は限定的です。焼き物や煮物などの一品ものは、おそらくコスト上の問題だと思いますが、事前に予約しなければ用意しないとのことですので、純粋に寿司だけを食べに行く店です。

先日、たまたま近くにある某回転寿司屋に行く機会があり、ネタを見ますと「なかなか頑張ってる」と思いました。しかし、その頑張っている高級ネタばかり腹一杯食べますと、なだやで昼のランチを食べる価格を超えてしまいました。回転寿司屋で高級ネタを食べるぐらいなら、なだやのランチのほうが味も満足感も遥かに大きい、と実感した次第。

<三佳>うなぎ

私が食べに行く、あるいは買って帰る数少ない鰻屋のひとつ。子供のころは、仕出し屋さんという認識でした。私は就職するまで、ほとんど鰻は食べませんでした。美味しいと感じたことがなかったからかもしれません。就職して東京に住むようになりましたが、自宅から目黒駅に歩いていく途中、権之助坂沿いに鰻屋がありました。店頭で蒲焼を焼いて売っているだけの小さな店でしたが、夕方、特に腹が減っている時などタマランほどタレの香りがしたものです。ある日、それを買って帰って食べましたところ、実に美味しく、それ以降、たまに鰻を食べるようになりました。それがきっかけだっただけに、鰻は関東風が私のベースになりました。三佳は関西には珍しく関東風です。しかも、実にふっくら柔らかく焼いてくれ、当然ですが、鰻の臭みもまったくありません。鰻とゴハンを少し残し、お茶を掛けて食べるのを知ったのも渋谷の道玄坂にあった鰻屋でしたが、お茶を掛けても生臭さがしないのも三佳が好きな理由のひとつです。最近、鰻が少し小さくなった。それでもスーパーで売っている「特大」よりは大きい。白蒸しを塩とわさびで食べるのも美味しい。

<赤ちゃん・御影店>カツランチ

系列店が何軒かあり、私が好きなのは御影店。店によって評価も違うようです。ここのカツ・ランチは味もですが、コスト・パーフォマンスも良いと思います。いわゆる洋食屋さんで、娘の好物はオムライス。息子の好物はカツ丼(ビーフのカツ)です。御影には、もう1軒、洋食屋さんがあり、人によってはそちらを推しますが、家族で行ってみたところ、我が家は全員「赤ちゃん派」でした。

<ラミ>カニクリームコロッケ

いわゆる洋食屋さんですが、私の中ではピカイチです。特にカニ・クリーム・コロッケは最も私の好みに合っており、私が次に好きな洋食屋さんのものを大きくリードしていると思います。ビーフ・シチューも好みに合っており、そのうちのひとつを選ぶことは毎回大きな悩みです。小さな店ですし、メニューの数も少ないのですが、どれを食べてもハズレがないのは嬉しい。ランチは並びますので、早めに行かなくてはなりません。

<なかよし>アジフライ

もう30年以上も前ですが、当時は目黒に住んでおり、近所に気に入っていた定食屋がありました。そこで生まれて初めてアジフライを食べましたが、実に美味しく感じ、以降は家内と子供が神戸に帰っているときは、よく一人で食べに行ったものです。何度か他の店でもアジフライを食べましたが、不思議と美味しいとは感じませんでした。アジの鮮度や衣、あるいは使う油や揚げる温度などに微妙な差があるのかもしれません。目黒から広尾に引越しして以来、アジフライは食べなくなりました。何年か前、とんかつを食べようと思い、会社の近所にある、いわゆる揚げ物屋さんに入ったとき、壁にアジフライ定食と書いてあるのに気付き、懐かしくなって注文したところ、これがアタリでした。自分の頭の中に残っているイメージにピッタリのアジフライでした。注文を聞いてから目の前で揚げてくれるのも嬉しい。しかもキャベツの上に乗ったアジフライ(二匹)にご飯と小鉢と漬物、そして味噌汁が付いて390円(現在は420円)という安さにも驚きました。何人か友人を連れて行きましたが、みんな喜んでくれました。我々の年代にとって、アジフライは懐かしい定食のひとつです。

<甲南そば>カレーうどん

私が小学生のころはミルク屋さんでした。ここのカレーうどんは好物です。最近のカレーうどんには凝ったものが多く、得正のカレーうどんも嫌いではありませんが、やっぱり、ここのカレーうどんが好きですね。私にとって、カレーうどんはあくまでも和食であり、うどん出汁の効いた味であって欲しい。ここのカレーうどんはうどん出汁にカレー味を加えたもので、他では同じ味どころか、似た味のものも食べた経験がない。入っている玉葱も肉も絶妙です。純和風(?)のカレーうどんがお好きな方にはうってつけ。

<白石>きつねうどん

私が子供の頃からあるうどん屋さんで、当時は冷蔵庫に使う氷を売っていました。うどんが普通のうどんではなく、そのころからきしめんでしたが、学校帰りに小腹が空いて、よく途中で食べたものです。いつも食べていたのは、そして今も必ず食べるのは「きつねうどん」で、かつお出汁の効いた、ちょっと甘口の典型的な関西風です。ずっと前ですが、関東の友人を連れて行きましたところ、いきなり醤油を入れました。いわく、馬のションベンみたいで味がしない。どうやら、この味は地域限定のようです。しかし、その友人は、後年、銀座にある某超有名フランス料理店の社長になり、私や仲間を驚かせました。

<多古好>天とじ丼

昔は兄弟で芦屋に二店舗あったうどん/どんぶり屋で、いまはJR芦屋の店だけが残っています。2軒はそれぞれ微妙に味が異なりましたが、私は阪神芦屋のそばにあった店の味が好きでした。芦屋の人たちは、ここのどんぶりが好きで、子供たちを連れて行くと、子供のころの友達が子供たちを連れて来ているのに、よく出会いました。阪神芦屋の店は震災後、一度は復活したものの、数年で閉店してしまいました。残念。私の好きな天とじ丼とは、ご飯の上に海老の天ぷらを載せ、その上から卵丼の具を掛けたものです。普通は海老が一匹ですが、私はいつも二匹にしてもらっています。この卵丼部分が出汁の効いたもので好みの味ですが、海老天がもう少し美味しければと思います。

<天がゆ>てんぷら

芦屋で比較的気軽に食べられる、古くからある、近隣では数少ない天ぷら屋さん。最近は娘さんが梅田にも店を出したらしい。コースも何種類かありますが、お好みでも揚げてもらえます。席はすべてカウンター式で、職人さんがひとつずつ目の前で揚げて順番に出してくれるスタイル。ひと通りコースで食べて、あとから追加で好きなものを食べたほうが良いでしょう。昼のコースの方がコストパーフォマンスが良い。味は関西風。

<天一>てんぷら

私は就職して東京に行くまで、まともな天ぷら屋さんというのを知りませんでした。せいぜい、割烹屋さんやうどん屋さんが「天ぷらもやっている」程度でした。ある日、会社の先輩が私たち夫婦を銀座の天一に連れて行ってくれました。関西風とはひと味違う、ゴマ油で揚げた天ぷらは、ある意味で新鮮な驚きでした。いまでも東京風のてんぷらが、たまに食べたくなります。天一は神戸にも店舗があり、お好みで揚げてもらえるカウンターがあります。。

<米福>てんぷら

ここはコスト・パーフォマンスの良い大衆天ぷら屋さん。目の前で揚げたてが食べられます。米油で揚げていますので、胃にもたれないのが嬉しい。個人的にお勧めできるのは、ランチ限定の大えび天丼。頼めばご飯と天ぷらを別々に出してくれます。天ぷら定食を頼むと、大根おろしをたっぷりくれます。ネタ的には金額的な限界があるものの、安っぽくない。天ぷらの種類が多くなく、夜に食べに行くような雰囲気のお店でも味でもありません。最近、12時前に行くとズラっと並んでいるのが不満。何かに掲載されたのだろうか。先日伺ったら、殆どのランチに入っている鶏天を他のアイテムに変えてくれるというサービスがなくなっていた。ニワトリがイマイチ好きではない僕には大きな痛手。

<船越>串かつ

私の中では、串かつと串揚げは別のもので、天ぷらと串揚げもカテゴリーが違うと思っています。最も庶民的なのが串かつ。生まれて初めて大阪の南で串かつを食べたのは、実は10年ほど前でした。テレビで見て興味を持ち、心斎橋に住む知人に電話して連れて行ってもらいました。というか、大阪の南に行ったこと自体、そのときが人生初めての経験でした。私にとって実に新鮮な驚きでしたが、そもそも一般的に神戸の人は何か特別な用事があるとき以外はめったに大阪へは行きません。人が多くて疲れるのです。そこで、神戸で串かつのおいしい店を探しましたが、そもそも串かつ屋自体が少ない。神戸にあるのは串揚げ屋ばかりです。そんななか、割と気に入っているのが、この店。2店舗あり、JR六甲の近くにあるのは息子さんの店。水道橋にある店のほうが気に入っています。

<富士屋>ソバメシ

ここで好きなのはソバメシ。牛すじ入りがお気に入りです。近所の方の集会場的雰囲気がプンプンしており、慣れないと居心地が悪いかもしれません。最近は、お昼時に娘さんが手伝いにきていますが、結構、混みます。聞くところによれば、神戸の長田風なのだそうですが、長田でお好み焼きを食べたことがありませんので、分かりません。お好みが食べたくなったとき、私はこの店です。食べている間に、グルメ・ガイドを見てやってきた感じの方が来られますので、一般的な評価も良いのでしょう。通りがかりに見つけて、フラっと入るというロケーションではありません。

<芦屋軒の牛肉佃煮>

昔から芦屋にあるお肉屋さんで、ここの牛肉佃煮は生姜が利いていて、とても美味しい。いろいろなところが販売している牛肉佃煮のなかでは、ここが最も肉肉しいというか、本当に肉を食べているという気がします。熱いご飯の間にはさんで、少し柔らかくしてから食べます。確か、通販もしていると思います。

<セルバ(甲南山手)の地下にある乾物屋さん>

最近見かけなくなったものに、きゅうりの古漬けがあります。昔は乾物屋さんや八百屋さんが店頭で糠漬けを売っており、少し漬かりすぎたものを古漬けとして売っていました。僕の祖母も樽の底から出てきた古漬けをきざんで水でさらし、擦った生姜を載せて出してくれました。僕には懐かしい味です。私の知る限り、この周辺で美味しい古漬けが買えるのは、ここだけです。スーパーで美味しくもない糠漬けを買うより価格も安い。頼めば少し糠を多く入れてくれますので、冷蔵庫に数日置いても、美味しく戴けます。

<マルヨネのコロッケ>

関西、特に阪神間にはコロッケ屋さんが多いように思います。昔から近所の市場にあった肉屋さんがコロッケを販売しており、モノの無い時代でしたので、コロッケはご馳走でした。ここのコロッケにはスジ肉が入っており、ぼっかけコロッケと呼びます。ミンチカツも美味しい。近隣では最も好きなコロッケです。ここで売っているきゅうりのピクルスも、あっさりしていて美味しい。どちらかと言うと、雰囲気は中華のきゅうり酢漬けに近いかもしれません。

<ビゴ>

本格的なフランスパンを初めて日本に紹介した伝道者とも言うべきビゴさんのやっているパン屋さん。私が中学生のころ来日され、ドンクでパンを焼いておられました。当時、ドンクの創始者である藤井さんがお向かいに住んでおられ、よく「フランスパン」をいただきました。まえに某ベーカリーの方から、プロ志望者が学ぶ料理学校でも、ビゴさんの書いた本が教科書として使われていると聞きました。何も知らず、ビゴのバゲットをお土産にお持ちしたところ、感激されて驚きました。ここのバゲットは競争の激しい阪神間でも、一番美味しいと思います。斜めに薄く切って、キャビア、パテ、ハムなど様々なものを載せて食べるにはうってつけ。ワインを飲みながら食べても邪魔しないところがフランス的です。ビゴの商品で特に好きなのが、パン・プディングとフーガス。フーガスにはチーズ、ドライ・トマト、オリーブの3種類があり、いずれも他店では見かけません。なかでも好みはドライ・トマト。オリーブは、オリビエという細いスティック状のパンのほうが好みです。

<ケルン>

昔からあるパン屋さんですが、ここのチョコッペ(小さなフランスパンにチョコレート・クリームを挟んだもの)やベーコン・エピ(サボテンのような形状のフランスパンの生地にペッパーを掛けたベーコンが入ったもの)は好物です。少し焼いてカリッとさせてから食べるとさらに美味しい。ナン風カレーパンなども好物です。それ以外にも美味しいパンが多くあります。本格的な欧風パン屋さんではありませんが、街のパン屋さんとしては出色だと思います。幸運だったら、パンの耳が買えます。耳と言うよりは「ヘタ」ですが、私は食パンの真ん中部分よりヘタが好きで、焼いて食べると歯ごたえがあり、実に香ばしい。ケルンの商品の中では、最も買えるチャンスの少ないアイテムですが、少し焼いて、ミキサーでパン粉を作ると、トンカツなどに使っても香ばしくて美味しい。

<いすずベーカリー>

かつては給食用のパンやレストラン用のパンを作っていましたが、最近は何軒か店舗展開をしているようです。ここで好きなのは、トレロンというソーセージが中に入った長い長いパンと、もっちり山食(食パン)です。もちろん、それ以外のパンも美味しいのですが、ここへ行ったら、この二種類は外せません。トレロンは多めに買っても、冷蔵庫で保存し、オーブン・レンジでカリっと焼いて食べると美味しい。

<神戸屋>

チェイン店でレストランに併設する形でパン屋を展開しています。ここで買うパンはカンパーニュ(クルミと乾燥イチジクの入ったパン)と英国風食パンなど。それ以外は「そこそこ」です。カンパーニュは、かつてドンクの岡本店がやっていて、ドンクの方が香ばしくて好みだったのですが、最近はやめてしまったようです。レストランは少し高級なファミレスで、取り立てて美味しいと思うものはありませんが、好きなパンが好きなだけ食べられるのは嬉しい。

<虎屋吉末>

私の祖母がいつもお茶席用に買っていた和菓子屋さんで、私の子供で4代目のお付き合い。丁稚羊羹や和三盆の乾菓子は大好物ですし、夏の期間だけ作る「冷やししるこ」は、特にお勧めです。もちろん季節ごとに作られる和菓子はどれも嫌味がなく上品、かつ繊細。ここの和三盆は口に入れると溶けます。長男が結婚した時に我が家の家紋を和三盆で作ってもらい、皆様にお渡しいたしました。そういったこともお願いできます。

<ナダシン>

この付近では昔からある餅屋さん。おはぎや赤飯、季節になると苺大福や水饅頭も売っており、最近は西宮のガーデンズの中でも売っているらしい。安い、美味しい、この辺りでは定番のひとつです。

<二つ茶屋>

新栗の季節になると、ここの栗蒸し羊羹を食べなくては秋になった気がしません。それ以外の和菓子は、実は良く知りませんのでコメントできませんが、栗蒸しだけは母の代から何十年、秋になると必ず食べます。栗蒸し羊羹としては少々高目ですが、大きな栗がゴロゴロ入っており、羊羹自体の味も程良い甘さです。前に、毎年、秋になるとここの栗蒸しをお送りしていたところのご主人が、実は糖尿だったというのを聞いて恐縮したことがありました。

<プルチーノ>

いま我が家では最も高い評価を得ているケーキ屋さん。イタリア風のケーキが多く、ひと言で言うと「大人の味」。どれを選んでも決して甘すぎることはなく、焼きタルトや苺のティラミスなどが我が家の定番です。小さなカフェも併設しており、軽食も取れます。クリスマスが近づくと、パネトーネも焼きます。

<鈴木商店>

子供の頃からあるアイス・キャンデー屋さん。かつては店内でラーメンやカレーなども食べられたため鈴木食堂という名前でしたが、現在はキャンデーの店頭販売のみになり、名前も鈴木商店になりました。夏になると並んでしまうので買えませんし、少し遅く行くと売り切れます。味としては、粉ミルクベースの懐かしい味というか、いまのラクト・アイスのようなしつこさがなく、一度に何本でも食べられます。ミルク、金時、バナナ、カルピス、もなかの5種類があります。それ以外にソフト・クリームもありますが、これは「普通」です。

<魚喜>

ここのイカナゴの釘煮は、一般的な小さいイカナゴ(シンコ)ではなく、大きいイカナゴ(フルセ)を使っています。2月頃から予約を受け付けるようですが、3月には予約終了してしまうか、予約しても買えないことがあります。一般的に見かける釘煮とはまったく異なり、甘ったるくなく、ネチネチしていません。近年はフルセを獲る漁師が減り、フルセの漁が無くなると中くらいのイカナゴになります。味自体は同じですが、食感は大きく異なります。偶然にも知人の奥様が、こちらの娘さんで、いかなごの季節になると家族全員が実家に集まり、朝から晩までいかなごを炊くのだそうです。我が家にこれが来ると春が訪れます。

<神戸・東部市場>

神戸にある中央市場のひとつですが、多くの店は朝8時過ぎの時間帯なら一般客にも販売してくれます。何よりも新鮮で安いのが嬉しいですね。ただし、スーパーで販売しているような少量だと断る店もあります。冬に寒ぶりを1本買うと、死ぬほど刺身とブリ・シャブを食べ、残りを照り焼きにしても少人数だと食べ切れませんので、二軒で分けます。奥にある貝屋さんで買う「あさり」はプリプリで、殆ど砂がありません。輸入くだものを専門に扱う店もあり、日本とは違う季節の果物が買えるのがうれしい。懇意の店が何軒かできると様々な恩恵に浴することもありますが、何よりも、知らなかった多くの知識を伝授してもらえる。天然物がすべて養殖より美味しいかというと、季節や漁場によっては必ずしもそうではなく、日本産が外国産より美味しいかというと、必ずしもそうでもないということを経験として実感したのも、懇意のお店の方に教えてもらったおかげでした。輸入くだものには、同じ種類でも航空便と船便のあるものがあり、見た目は同じに見えても価格も味も違うことを学習しました。先日、余ったからあげる、といって3個頂いた航空便のメキシカン・アップル・マンゴーは驚くほど美味しかった。それ以外にも鰹節屋さん、昆布屋さん、ちりめん屋さんなどなど、購入単位というか量は多いものの、スーパーで買うよりはるかに安くて美味しものが一杯あります。

もっと安くて新鮮な野菜を買いたいときは篠山にあるJA丹波ささやま味土里館がお勧めです。ここで買う山椒はピリっとしていて香りが良い。高速の出口から、僅か数分です。朝10時に行くと、その日の早朝に収穫した野菜や、見かける機会の少ない野菜も数多くあり、価格も神戸あたりのスーパーで買う半分以下ですので、帰りのクルマは野菜で一杯になります。ここで買った野菜は数日経ってもシャッキリしてる、と家内が申しております。朝はレジで並んでしまうのですが、その時に後ろに並んでいた方に伺いますと、安いので農家の方が自分の家で作っていない野菜を買っていくのだそうです。とは言え、先日は朝に買いもらしたものがあり、昼過ぎに再度、立ち寄りましたが、朝に買ったような「安くて良いもの」や「珍しいもの」はすべて売り切れていました。

ついでに、笹山インターのすぐそばにある「文」という三田牛のお肉屋さんは、良質なうえ、コスト・パーフォマンス抜群ですので、我が家のように1家3人で一度に1キロほど肉を食べる肉食一家には、お勧めできます。ただし、文がすぐそばで営業しているレストランは、まったく、お勧めできません。

魚介類なら、暗いうちから出なくてはなりませんが、少し足を伸ばして天橋立から30分ほどの養老漁港まで行けば、それこそ、いま釣ってきたばかりの魚が買えます。聞けば、この辺りに魚屋さんはなく、近隣のみなさんは漁港で買われるのだそうです。高速が出来ていますので、西宮北から天橋立まで僅か100キロほど。帰りに篠山で野菜を買って、近所にある今田温泉(天然温泉のスーパー銭湯)で露天風呂に入り、すぐそばの「ゆる里」で蕎麦を食べて帰ると、ちょっとした小旅行です。